学問・資格

留学時代の先生

この話は もう15年以上前になりますが 私の留学時代の先生の話を書きたいと思います。

ドイツにわたり ドイツでの大学進学のためレッスンをしてくれていたときの先生なのですが アルフレッド ルッツという名前のトリアー出身のドイツ人の先生でした。彼は今でもそうですが当時からケルン放送交響楽団というドイツのオーケストラで第1ヴァイオリンのフォアシュピーラーをしている方です。彼のレッスン自体は大学入学までのわずかな時間でしたが 合格後もドイツに滞在中 何年にもわたりまるで親代わりのようなことをしてくれました。

当時は西ドイツと東ドイツが一緒になり まだ時間がさほどたっていない時代でした。今から考えてみると 完全に冷戦が終結して東側の共産圏の人たちが西側の社会に多数入ってきて 音楽の世界も それまでの何十年かの中では大きく動いていた時代でした。

私は 学生時代 大学入学後も時々レッスンを受けるわけでもなく ルッツ先生の家に遊びに行き その時いつも 先生はCDやレコードをいろいろ聞かせてくれました。彼は仕事は演奏ですが趣味はヴァイオリンの音楽のCDやレコードを買ってきて聴くことでして いつも こんな録音どこで見つけてきたのだろうと思うものを いつも 新しく買ってきていました。奥さんも「どんどん買ってくるから 置くところがなくて困っているのよ」と愚痴をこぼすほどで 

ルッツ先生は いつも 演奏者については何も説明をせずに ただ 音楽をかけてじっと一緒に聞いているだけでした。最後まで聞き終わっても 別にその演奏について何を言うわけでもなく ただ 毎回「うまいよな!これ」というぐらいでした。

当時の私は20代前半ながら 上手い演奏とそれほどでもない演奏の差が 今考えればあまりよくわかってなかったと思います。私が考えていた日本でのうまいかそうでもないかと世界基準としての上手いかそうでもないかが実はずいぶん違うものでした。ベルリンフィルが日本のオーケストラより上手いことは誰でもわかるでしょうけど その違いが微妙なところまで どう上手い下手を判断していくかわかっていなかったのです。

ルッツ先生はそのことをわかって 私の理解力を上げるため ああやってくれたのもよくわかっていましたが あれから年月がたつほど あの時間はヴァイオリンを弾くことはなかったですが私にとって貴重な時間であったと思うようになりました。 ある意味いいレッスンでした。

続きは また次回    

 

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